退職金を就業規則で払うと決めている場合は会社は退職者に払う必要がある。・・・ー退職金規定
逆に規則で払うと決めていないことも認められている。
退職金規定とは社員が退職または死亡した場合の退職金について定める規定。
辞める人に払う「慣行」があれば権利として主張できる。支払い要件を確認すること。
退職金には社会保険料はかからない。所得税も軽い(退職所得控除が適用される)
退職時期によって支払い方が変わる
国際会計基準(新会計基準)では退職金は給料の後払いであるという見解
退職金は支払い条件が明確であれば労働の対償(労働基準法11条)としての賃金に該当する
退職後5年までは退職金請求できる
就業規則に退職金規定があり、労働契約・協約などで支給する旨・基準があれば会社側には払う義務あり
就業規則>労働契約 ←効力の優先順位
同業他社へ転職した場合に退職金を不支給とするという就業規則は著しい背信性が認められないかぎり無効である。
一旦退職金を出したのに後から懲戒にはできないと考えられている。
退職金について
退職金にかかる所得税
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万x勤続年数(80万円に満たない場合は80万円) |
20年以上 | 800万x70万x(勤続年数ー20年) |
(勤続年数1年未満=1年に切り上げ)
税率は下の計算式に基づいて算出する。
【参考】別紙 退職所得の源泉徴収税額の速算表|源泉所得税|国税庁
例1)勤続10年1ヶ月で退職金支給額が500万円なら
ア)勤続年数=繰り上げで11年
イ)退職所得控除額=40万円x11=440万円
ウ)課税退職所得金額=退職金支給額(500万円) – イ(440万円) x 1/2=30万円
エ)税額=ウx税率-控除額x1.02
=30万円 x 5% – 控除0円 x 1.02 =15000円 x 1.02 = 15300円
例2)勤続20年1ヶ月で退職金が900万円なら
ア)勤続年数=繰り上げで21年
イ)退職所得控除額=800万円+70万円x(21年-20年)
=800万円 + 70万円 x 1 = 870万円
ウ)課税退職所得金額=退職金支給額(900万円) – イ(870万円) x 1/2 = 15万円
エ)税額=ウx税率-控除額x1.02
=15万円 x 5% – 0円 x 1.02 = 7650円
上記のように勤続年数と退職金の額によっては課税所得税額が逆転することもある。
退職金にかかる住民税
住民税は普通徴収と特別徴収とあるが退職金にかかるのは特別徴収である。
退職所得額の10%(市民税6%,県民税4%)が住民税として徴収される。
退職所得額とは退職所得控除額を差し引いたあとの金額に1/2を乗じた額。1000円未満切り捨て。
退職慰労金
似た名前で退職慰労金というものがあるが、これは会社の役員や監査役に支払われるもので、自分で自分への退職金額を決めてしまうこと(いわゆるお手盛り)を防止するために、金額や支払い方法等については定款に定めるか取締役会の承認が必要である。