会社にとって会社都合で退職させることのデメリットとは

会社は社員を辞めさせたくともなかなか社員は労働基準法等に守られて簡単に辞めさせることはできないものです。なかにはどうしようもなく言うことを聞かない社員でも簡単に辞めさせることは難しいのです。できれば自発的に辞めて欲しいと考えます。

それでも会社は最終的には社員を辞めさせることができなくはないです。今回はその事由や会社にとってのデメリットについて考えてみましょう。

会社都合による退職について

会社が社員を解雇できるとき

まず言えるのが解雇する理由として「客観的合理的理由」が必要であるのと、「社会的相当性」が必要となります。難しい言葉です。

要するに簡単にいえば、「そんなことしたらそりゃクビにされても仕方がないよね」というそんなことに相当する理由と「そんな人はどこの会社でもクビにするでしょ」という世間一般でもだいたい同じ判断をするであろう人である、あるいは不届きな行為をした場合です。

たとえばわかりやすい例で言えば会社の金庫から現金を盗んだことが発覚したら警察沙汰です。警察沙汰の犯罪を引き起こしたらクビにされても「ごもっとも」ということは誰でも納得いくはず。

ただこれは程度の問題がありますので警察のご厄介になったら即解雇というのも納得できない場合があるでしょう。もし会社が社員の言動に対して敏感に解雇をちらつかせることがあれば弁護士に相談することも考えたほうがいいです。

解雇理由証明書

会社が従業員を解雇するときには解雇理由証明書の交付が義務付けられています。

ただし交付の必要ない場合があり以下の理由に該当するときには交付の必要はありません。

  • 解雇予告手当てを支払って即日解雇のとき
  • 所轄労働基準監督署から解雇予告除外認定を受けて即時解雇する場合
  • 解雇予告の適用のない者を解雇
  • 解雇の予告がされた日以後に労働者がその解雇以外の事由により退職した場合

整理解雇

使用者(会社)は労働者の解雇を簡単にはできません。客観的合理的理由が必要です。

「事業者はやむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては雇用者を解雇できるがその事由について行政官庁の認定を受けなければならない。労働基準法19条2(解雇制限)」

もしも勤め先の上司や経営者から「辞めてもらいたい」や「人員を減らしたい」という話をされたときは十分注意してください。

会社の業績が悪くなると経営者は従業員の誰かに辞めてもらいたいという気持ちになるかもしれませんが、そういった整理解雇(いわゆる肩たたき)をするためには下記の条件を満たしていなければ違法となります。

整理解雇しても良いとされる4つの条件

  1. 必要性:会社の維持存続のために人員整理が必要かつ有効であるか
  2. 回避努力:新規採用中止、希望退職募集、一時帰休などして整理解雇を回避する努力をしたか
  3. 選定の合理性:出勤率、勤務成績、作業能率不良(客観的証拠)、高年齢
  4. 話し合い:解雇の必要性、規模、方法など納得を得る努力をしたか

上記を満たさないで単に「業績が悪く人を減らさなければならないから辞めてくれ」といわれて辞めるのは「合意解約」つまり労働者の自発的な退職と同等の意味となり特定受給資格者にならないので気をつけましょう!!!

・解雇理由を退職の日までに会社側に確認できる・・・労働基準法第22条第2項

・解雇予告(30日前、または予告手当)・・・労働基準法第20条1項

会社側からの退職勧奨(労働契約の合意解約申し入れ)は違法ではありませんが労働者の側もこれに応じる義務はありません。また退職勧奨といっても何度もしつこく会社から要請されたらそれは退職強要となります。

退職勧奨されてもきちんと通知書を会社に出してもらわないと会社都合にならず自己都合と扱われてしまう恐れがあるので注意しましょう。

会社都合で退職させると会社にとって多少のデメリットが発生することがある

ではそういった「客観的合理的理由」や「社会的相当性」がない場合には会社は従業員を解雇することができないかといえば必ずしもそうではありません。

上記「客観的合理的理由」と「社会的相当性」は従業員が会社からの解雇を取り消して欲しい場合に武器として有効であって、必ずしも解雇不当の根拠として使わず解雇されることを選ぶということもあります。

解雇をしたのか自己都合で退職したのかは退職時に会社が発行する「離職票」に明記されます。従業員が解雇を受け入れ「離職票」に会社都合の旨を書いてもらうということがあります。
退職者はこの「離職票」をハローワークに持ち込んで失業給付の手続きを行います。

会社としてのデメリットの1つは助成金を得られなくなるということが起こりえます。国や地方自治体からの助成金の給付条件として「○○ヶ月以内に解雇をしていないこと」ということがあります。

そういった条件に抵触することを嫌って従業員をやめさせる時の理由は会社としてはなるべく「会社都合ではなく自己都合」での退職のほうが「会社にとって身奇麗」な状態であるといえます。

もっとも自己都合での退職者が多すぎても離職率の高すぎる会社という別の意味でハンディが発生する場合もあります。

健全な経営をしていて特に助成金を必要としていない会社であれば解雇について足かせはないと考えられますのでもし今会社を辞めたいと考えているのであれば会社に頼んで解雇という形で退職するように依頼してもよいのではないでしょうか。

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